可愛いウサギさん。
ウサギさんは寂しいと死んでしまうと聴いたことがあります。本当なのでしょうか?
ちょっと実験。


ー」
「…」
ー」
「…」
さんっ!こんな所に居たんですか?」
「どうしたんですか、アレンくん」
「あの…話がしたくて」


真っ赤に頬を赤らめて言うアレンくんは素直に可愛いと思いました。
え?最初に私を呼んでいたのは誰だって?あはは。ウサギさんです。実験の為にシカト中です。


「いいですよ。私の部屋に行きましょうか?」
「え、でも。ラビが…」
「あぁ、いいですよ。今日はアレンくんと話したい気分なんです」
「いや、ラビの視線が痛いんですけど…」


アレンくんが苦笑しながら言う。
ラビの方に眼を向けると、ものっ凄い機嫌が悪そうな顔をしてるもんだから私も苦笑してラビを見た。


「平気ですよ。私が居る間はアレンくんを襲ったりしませんから」
「そう、ですか?」
「はい。そうなので早く私の部屋に行きましょう」


アレンくんの手をひいて歩き出す。

さて、私のウサギさんはどう出てくれるのでしょうか。


さんどうしたんですか?いつもはラビと一緒に居るのに」
「ちょっと実験をしてるんです」
「へぇー。」
「すみませんが、使われてください」
「いいですよ。僕も暇でしたし」
「お礼と言っちゃなんですが、これ、作ったのでどうぞ」


差し出したのはココアクッキー。アレンくんはそれを見た途端、にっこりを笑ってお礼を言った。


「…アレンくん、そろそろ逃げた方が良いかもしれません」
「どうしてです?」
「来ます。ウサギさんが」
「何やってるさーー!!!」


私が言い終わった瞬間にラビの姿が見えた。これはアレンくんが危ないと思い、「早く行ってください」と背中を押せば、アレンくんも危険を察したようで素直に走り出す。


「アレンの奴ーーー!!」
「私を置いて行っちゃうんですか?」


追いかけようとしているラビに一言。そしたら、振り向いてギュッと抱きしめられた。横目でラビの顔を見ると結構、苦しかったらしい。


「ごめんなさい」


自然と言葉が出た。

少し、遊びすぎちゃったようです。


「…は俺よりアレンのことが好きなんさ?」

「は?」
「だってアレンと居た方が楽しそうさー…」


クルリとラビの腕の中で体制を変えるとなんとも言えないラビの顔があった。
切なそうで寂しそうで、悲しそうで。
自分のした事を後悔した。


「馬鹿ですね、うちのウサギさんは」
「…?」
「私がラビ以外の人を本気で好きになるとでも?」
「…」
「まぁ、今回は実験をした私が悪かったですしね」
「実験?」
「はい。ラビは嫉妬してくれるかという実験を。…したでしょう?嫉妬」
「…っ当たり前さ!!」
「よかった」


フッと笑ってラビに抱きつく。ラビの匂いがして安心した。


「それにしてもラビは嫉妬しやすいんですね」
「それはだからさ!」
「フフ、ありがとうございます」
は俺が他の女の子と一緒に居たら嫉妬するさ?」


急な問いかけ。私はんーと少し悩んで、答えを出す。


「しませんね」

「してくれないんさ!?」
「だってラビは私の元に戻ってくると信じてますから」

「…っ!大好きさー!!」

「知ってます」


ラビが私の頬やおでこにキスを落とす。少しくすぐったくて、笑みが零れた。

私の愛しいウサギさん。嫉妬をしてくれるウサギさん。
全部、大好きです。

こんな事を言ったら、ラビはどういう反応をしてくれるだろうか。
また悪戯心が働いたけれど、当分悪戯はしないと思う。
ラビにあんな顔させたくないですからね。


「ラビ」
「なんさ?」
「大好きですよ」


満面の笑みで言うとラビも可愛い笑みを返してくれる。


「俺も大好きさ!ってことで、部屋に行くさ!」


気づいたときにはもう抱き上げられていて。これは俗に言うお姫さま抱っこと言うやつで…。恥ずかしくてたまりませんでした。


「離してください!」
「いやさー。」


私の抵抗は空しく、結局そのまま部屋に連れて行かれました。
部屋で襲われそうになって近くのコムイさんに助けを求めたらラビが半殺しになりそうになったことは秘密です。


嫉妬心



嫉妬してくれる貴方は私にとって極上の彼氏です。