私の彼氏は超度級の美形です。でも、ちょっとどこか可笑しいんです… 「!」 ババーンという効果音で出てきたのは私の彼氏、草摩 綾女。毎度の事ながら大きな音を出して入ってくるのはやめてほしい。 「…何?」 「反応が冷たくないかい!?」 「そんな事ないわ。で、何」 「そうそう!新しいコスチュームが完成したのだよ!」 そう言って出されたのは…はぁ。なんですか、これ。 えっと、わかりにくい例えを上げると 秋葉原で「光る風を追い〇したら♪」って歌ってるか、「お帰りなさいませ、ご主人様v」って言ってるか、な服です。 はっきり言っちゃえばメイド服。 「あー、凄いね。何?誰がに頼まれたわけ?」 「チッチッチ。これはに着てもらうのだよ!」 「……。」 うん、こいつ殴って良いよね?自信満々に言われるとかなり腹立つんですけど。 「何言っとんじゃ馬鹿ヤローーーーー!!」 叫びました。腹の底から叫びました。久々にこんなに大きい声出した気がする。 よし、綾女がビクッとしたぞ!!綾女に勝てたよーーー!! 「私にこれを着ろと?そして、挙句の果てには“ご主人様”とか言わせるんでしょ!」 「いや、別にそこまで言ってない。あ、が言いたいのなら言ってくれたほうが嬉「言うか、ボケ!!」」 …言い方がきつすぎたかもしれない。 綾女が落ち込んでるように見える。ああ見えて落ち込みやすいからな、綾女って。 「…なら仕方ない。ならばこっちのネズミ耳メイドを「そんなもん着るか!由希くんに着せなさい!由希くんに」」 前言撤回します。やっぱりこいつは正真正銘、血統書つきの馬鹿です。そしてブラコンです。普通、猫耳のところをネズミ耳できましたからね。由希くんへの愛が感じられますね。 「なぜだい!?どうして着てくれないんだい!?」 「フフッ。それはね…私なんかよりあんたのほうが似合うからよっ!!」 ビシィと。 綾女を指差しながら言いました。 だってだって、私なんかより綺麗なお顔してる綾女のほうが絶対 似合うもん!!そいでもって、「ご主人様」とか言ってたら失神ものですよ!!秋葉原のアイドルになっちゃいそうだ。 「僕が着るより、が着た方が似合っているよ!絶対に!」 「はぁ?あんた馬鹿じゃないの!皆が望んでるのはあんたのメイド服姿なのよ!!」 「僕が見たいのは断然、のだね!」 「そりゃ当たり前じゃない!自分が着るより人が着た方が楽しいでしょうよ!!」 「…何をしてるんだ」 運悪く登場してしまったのははとり。やれやれといった感じで私と綾女を見ている。 「はとり!はとりは私なんかより綾女のメイド服姿の方が見たいよね?」 「僕なんかよりちかだろう!?」 「やっぱあんた頭可笑しいって!!どっかで頭のねじ落としてきたんでしょ!」 「僕は生まれたときからこんな感じさっ」 「ほら、今はとり居るから見てもらいなよ!」 そう言って綾女をはとりの方に突き出せば、はとりは長く溜息をついた。 「もうお前らには付き合ってられん」 綾女、紫呉に加え、はとりの馬鹿リストに私の名前が入ったらしいです。 全く失礼しちゃうわ!!あの2人と一緒にされるなんて! ちなみにどっちが着た方が似合うか議論は空が暗くなるまで続きましたとさ。 え?結局どっちになったかって? それは…秘密! 頭のねじこんな馬鹿なことを言い合えるのも貴方とだから! |