私、 は毎日こりずに行くところがあります。
その行くところとは…


鈍い音をたてて開く扉。その扉の向こうには青くて広い空がある。
ここまで言ったら、どこかわかると思う。そう、屋上。
私は、毎日 屋上に通ってる。なんでかというと、彼に会うため。


「夾っ」


タンクの裏で横になっている夾に声をかけた。


「…またお前かよ」


私の顔を見てうんざりしたような顔で夾が言った。
ったくもー、素直じゃないなぁ。


「嫌だわ、って呼んでって言ってるじゃん」


いつものように明るくふざけた声で返せば、夾は溜息をついて肩を落とす。
私はというと周りに花が飛んでいるんじゃないかと思わせるぐらいニコニコと笑って夾を見ていた。


「お前さ「」…わーったよ。はなんで毎日 ここに来んだよ」


やりましたよ、奥さん!!夾に名前を呼ばせました!!よっしゃーーーーー!

夾に名前を呼ばれ、ガッツポーズをしているときに訊かれてしまったせいで、110秒ぐらい情報処理が追いつかず呆然としてしまった。
ガッツポーズしてるときに言われたら頭が追いつかないじゃない!
やっと情報処理が追いついて夾の言っている意味がわかった私は少し考えて答えを出す。


「…夾が居るから?」
「…は?つか、なんで疑問系なんだよ。」
「駄目だよーそんな細かいとこ気にしちゃー」
「ソウデスカ…」


一応、言っとくけれどコントのつもりはないよ?

てか私、今…


「きゃーーーーーっ!!!夾に告白しちゃったよーーーーーーー!!」
「っ!?」


いきなり大声を出したから驚いたのか、夾が隣でびくついた。


「やだ、私ったら」


ちょっと乙女チックに恥じらいを持って言ってみれば、夾が変なものを見るように私を見た。そんな目で見ないでほしい。


「で、返事は?」
「早いな!切り替え!」
「早くて結構!で、へ・ん・じ!!」
「知らねぇよ。」
「酷っ!YESかNOで答えてよ!」


酷くないですかー?人がせっかくノリ…ごほん、勇気を持って告白したのに!知らないだって!自分の事でしょっ?
いつの間にか百面相状態になっていたらしく、隣に居る夾が笑う。笑われて顔が赤くなったけれど私も笑っておく。


「お前みたいな奴、嫌いじゃないかもな…」


夾が照れたように小さく呟いた。それって…


「フフッ。明日から、また毎日来るね!」
「やめろよ、鬱陶しい!」
「来ちゃうもんねー」


君の隣が私の居場所。
だから、ずっと追いかけてやるんだから!覚悟しといてよ?


君の隣



きっと未来も君の隣に