私、宍戸さんを愛し、崇拝しています!










名前で呼んでみよう










氷帝レギュラー陣と会ってから数日が経ちました。


あれから進展は一切ありません。
あの日から変わった事といえば、鳳が私のほうをちょくちょく見てくる事だけ・・・。




宍戸さんは渡さない・・・!!





ー」



前の席に座っているが言った。



「何?」



の方も見ず、鳳を睨み続ける。
横で溜息の音が聴こえた。




「いい加減やめなよー。鳳くん睨むの。困ってるじゃん」
「駄目よ!アイツは・・・鳳は・・・私から宍戸先輩を奪ったのよー!!

「ちょ、っ!声でかいって!」




大声を出してしまったらしく、教室中の眼という眼が私のほうに向いていた。
が慌てて「スイマセン。この子馬鹿なんですー」と皆に謝っていた。







「馬鹿とは失礼な」
「あんたは馬鹿でしょ。」
「・・・」




何も言い返せない自分が憎い。



は呆れ顔で私を見ると今日2度目となる溜息をついた。
机にうつ伏せになったまま、眼を閉じる。







ー。私って変人?」







問いかけてみると素早く返事が返ってきた。






「やだ。今頃気づいたの?





「・・・意地悪」




あんまりにも驚いた声で返事が返ってきたので頬を膨らませながら呟く。










「・・・さん、ちょっといいかな?」




この声は・・・。
さっきまで話していたと明らかに違う男の声。
そして、私から愛しい愛しい宍戸先輩を奪った奴の声。




「誰ですか貴方?私、宍戸先輩を奪った貴方なんて知りませんわ。」
・・・口調可笑しい。」




がツッコミを入れた。
私の周りに居る人たちは皆ツッコミがうまい。
良い事だわ・・・




「ごめんね、鳳くん」




苦笑しながらが言った。
なんか、お母さんみたいだ。




「ううん。いいんだ別に気にしてな「ちょーたろー!何やってんだよ!」あ、宍戸さん」




鳳の声にかぶさって聴こえてきたのは愛しい宍戸先輩では!?
これはもう、運命なんじゃないですか!?え?ちがう?








「し・し・ど・せんぱーい!!」









走りました。猪突猛進のごとく。


近くにあった机はいつの間にやら姿を消し、1つの道が出来ていた。
数秒で宍戸先輩の前に着くとにっこりと笑った。笑顔は良い女になるための一歩よ!




「えっとお前・・・確か跡部に告白した奴だよな?」
「はい!鳳・・・くんと同じクラスのです」
さん!」




チッ・・・。なんだよ。せっかく宍戸先輩とのラヴラヴタイムだったのに!!




「何かな〜?鳳くん?」




黒い笑顔で笑ってみせる。
もちろん宍戸先輩に見えないように。
鳳は一瞬ひるんだが、言葉を続ける。




「あのさ、一緒にお昼食べないかい?」







一瞬だけ鳳が良い奴に見えた。一瞬だけね!






「・・・いいんですか!?宍戸先輩!」



「お、おう・・・(こいつ普通に長太郎の事シカトしやがった・・・)」
「やったー!!友達呼んで良いですか!?」
「あぁ」
「ありがとうございます!」




やったー!宍戸先輩とご飯っ!・・・邪魔なのも居るけどね。




スキップしながらのところまで行く。
ニコニコしてたらに変な顔されてちょっと傷ついた。




〜!一緒に宍戸先輩と邪魔な奴らがご飯食べようだって!」

「あんた、日に日に黒くなってるわね・・・。いいけど?」
「だよね〜?嫌だなんて言わないよね〜?つーか言わせない




にっこり笑ってを見る。また変な顔された。
お弁当を持ち、の腕を引っ張って宍戸先輩のところまで行った。
宍戸先輩は購買で買ったパンを持って鳳と何かを話している。
きっと部活の事だろう。ホントにテニスが好きなんだな〜。







「っし、それじゃ行くか」




宍戸先輩が歩き始めたのでそれについていく。
方向からしてどうやら屋上みたいだ。テニス部が屋上で食べてるって本当だったんだ。
階段を上り続けて屋上に続く扉を開ける。
ギギギィと重そうな音がした。
屋上には既にテニス部レギュラーと準レギュラーのわかぴょんと滝先輩が居た。
わかぴょんは私と眼が会った途端、あからさまに眼をそらしてくれた。




「おっ来たみたいやな」




忍足先輩が一言言うとその場に居た人たちの視線が全部こっちを見た。
跡部先輩はいつもどおり俺ナル(俺様ナルシストの略)らしく不敵に微笑んでいる。
芥川先輩はなぜか起きていて、向日先輩は背が小さすぎて私たちが見えないのかピョンピョン跳ねてるし、
忍足先輩は怪しい笑みを浮かべて手をふっている。
わかぴょんは相変わらずこっちを見ようとしなくて、滝先輩は優しく微笑んでいた。




「こんにちは〜」




が一応言ってみる。
私はぺこっと会釈だけした。


「座ろうぜ」と宍戸先輩が言ってくださったので、お言葉に甘えて宍戸先輩の隣に座る。

私の左隣が宍戸先輩で右隣にはが座った。
私とはお弁当箱を取り出して広げながら、周りを見た。




「ねぇねぇ」
「はい!?なんですか?芥川先輩」
「2人ともさ、名前なんていうの?教えてほしいCー」








・・・間。




そういえば、言ってなかった気がするわ〜。




「えっと・・・です」
「違うCー。下の名前!」
・・・?です」
、疑問系になってる。初めまして、芥川先輩。と同じクラスの です」




がにっこり営業スマイルで言った。
ちゃんにちゃんね!」と芥川先輩もにっこり笑った。
それを見ていてつられて私も笑う。




「俺の事は下の名前で呼んでね!」


「「・・・ジロ先輩?」」




と声が重なった。しかも疑問系のところまで一緒。




!俺も下の名前で良いぜ!!」




ハイテンションで話に入ってきたのは向日先輩。
ピョンピョン跳ねてて疲れないのかな?





「「がっくん先輩」」





またしても重なった。



あとでになんで“がっくん先輩”なの?って訊いたら、私が考えてた通りの言葉が返ってきた。



『アレよ・・・。さっ○ゃんの歌と一緒よ。ちっちゃいから?









「俺ん事も下の名前で良いで」



「「侑士先輩。普通だね」」




「普通だね」も重なっちゃったよ。
忍足・・・侑士先輩はひねりようがない。極めてツマラナイ。
次は誰ですか?




「ウス」


「「あぁ、樺地ね」」



「「「「「「(わかったのか!?)」」」」」」



「俺の事も長太郎でかまわないよ」


「ちょたね」「呼びません」




初めてと意見が分かれました。


鳳は鳳で十分なんです。


と重なった事で良く聴こえなかったらしいのでサラッと流してしまいましょう。




「・・・俺の事も亮でかまわねぇぜ」



「「亮先輩!」」





照れながら言う貴方がどうしようもなく大好きです!!
も良い感じだったのかにっこりしてます。胸きゅんです!




「初めましてだね。滝 萩之助です。」


「「萩先輩?」」


「うん。よろしくね」




優しく微笑む姿は素敵です。でもどこか黒いよね。




「俺の名前も呼ばせてやってもいいぜ?」


「「跡部先輩」」




跡部先輩は跡部先輩なんです。
駄目なんです。景吾なんて呼んだ日には世界が破滅しちゃいますよ。







「跡部嫌われてんな!」







がっくん先輩が面白そうに言い、隣で侑士先輩が「しょうがないやろ。景ちゃんやから」と笑っていた。


私とは顔を見合わせて笑ってしまった。
その笑いにつられるかのように皆が笑い出した。



いつの間にかだんだんと距離は縮まってる気がする。気のせいではないはず・・・



それから、楽しく食べて跡部先輩のお弁当の中身を盗んで食べて話して食べた。










がっくん先輩それ私のハンバーグ!食べないでっ!!




















VOICEシリーズ化。
誰オチになるかは決めてません(笑