どうしてこんなのがついてくるのかしら。
恋する乙女は悲劇のヒロイン? −前編−
前のランチから進展はありません。
けど、なぜか毎日鳳に「一緒に食べよう?」と言われ、愛する宍戸さんと一緒にご飯を食べています。
嬉しい限り・・・!!
でも、神サマは私に平穏な人生を送らせたくないらしい。
事の起こりはある朝の事でした。
普通に学校に行って、普通に下駄箱で靴を履き替えようとしたら・・・。
手紙が入っていました。
まさかこれは・・・噂に聴く・・・!!
「ラブレターーーー!?」
「違うと思う。」
いつの間にか隣に居たに全否定された。
「おはよう。・・・じゃ、これはなんなのさ」
「おはよ。呼び出しでしょ?」
「・・・っ!やっぱりラブレ「だから違うって」」
何さ。そこまで否定しなくてもいいじゃん!
「開けてみれば?」とに言われたので素直に封を開く。
中には女子が書いたと思われる丸字の文字列が。
内容はというと・・・
「今日、放課後、体育館裏にて待つ。逃げる事は許さない・・・だって。」
「なんの捻りもないなぁ」
「そうだな!もっと可笑しく書けば良いのにな!」
「なんだ?お前を呼び出すなんて物好きも居るもんだな。なぁ、樺地」
「ウ、ウス」
「フン・・・」
「呼び出しって・・・!」
上から萩先輩、侑士先輩、がっくん先輩、跡部先輩、樺地、わかぴょん、でかいの。
うん。なんか自然に馴染んでるよ、この人たち。
つか、どっから湧き出た?
「大丈夫か?」
「はいっ!!!大丈夫です!亮先輩に心配してもらえただけで十分です!!」
「そ、そうか・・・」
眼をキラキラさせながら言うと亮先輩が苦笑した。
あぁ、麗しの亮先輩・・・!!
「で、。どうするの?行くの?」
が手紙を覗きながら言った。
私はちょっとばかし考えてから、ニカッと笑う。
「うん!行くよ!」
「「「「「「「「は?」」」」」」」」
おぉ!この場に居たテニス部の方々の声が重なりましたよ!
でも、皆さん随分間抜けな顔しちゃってますよー。
「・・・そう」
はぁと溜息をつきながらが私を見る。
「無理、しないでよ?」
「うん!」
「俺も行く」
「・・・わかぴょん?」
「お前1人だと何をやらかすかわからないからな」
「わかぴょん・・・」
まったくといった顔でわかぴょんが言う。
・・・ありがとうわかぴょん。でもね・・・
「この前あんだけシカトしといて謝罪はなしですかぁ!?」
私、根に持つタイプなんです。
「・・・っ、すまない」
「よろしい」
わかぴょんは良い子だわー。
昔、教えたかいがある。
「ちょぉ待ち。俺も一緒に行くで?」
「あ、侑士!何、抜け駆けしてんだよ!俺も行くからな!」
「僕も行かせてもらうよ?」
「俺も心配だから行くぜ」
「俺も行くよ!」
「ウス!」
「しょうがねぇな。俺も行って「皆さん、来なくていいです」」
跡部先輩の声を遮って言うと「なんで!?」という声が返ってきた。
私は深呼吸してはっきりと皆を見据える。
「これは私が行かなくちゃいけない問題なので。」
反論が出そうになるとがすかさず言う。
「皆さんが行って、それで解決しました。その後は?
また、呼び出しを受けるかもしれない事がわからないんですか?」
の言葉にテニス部の人たちは言葉を失った。
いやだ!こんなに暗い空気は好きじゃないわ!!
「って事なんで、心配しないでください!それじゃ、私、行きますね!!」
笑って教室へ向かう。
皆を巻き込むわけにはいかないしね!!
「おい、」
声をかけられたので一応振り向く。
そこには俺ナル跡部先輩が居ました。
「なんですか?」
「お前は今日一日、生徒会室から出るな。」
「どうして?」
「どうしてもだ」
「嫌です」
「おい、樺地!」
「ウス」
いや、あのナンデスカ?
拉致?監禁?
樺地が私を軽々と持ち上げて生徒会室に運ぶ。
私の抵抗も無駄だったようで簡単に運ばれた。
「いやぁーーーーー!!」
私の声も虚しい。
・・・諦めますよ!諦めればいいんでしょ!?
大人しく椅子に座っていると跡部先輩が教室に入ってきた。
どかっと俺様な態度で私の隣に座る。
その時、丁度チャイムが鳴った。
「あの、跡部先輩は行かなくていいんですか?」
「俺は生徒会長だからな」
へぇ、生徒会長ってそんなに偉かったんだ・・・。
そう思いながらもなぜかあるティーセットを取りに行こうとした。
「・・・?」
くいっと制服の裾を引っ張られた。
誰に?
跡部先輩に。
「・・・!あぁ。すまなかったな」
「いえ・・・」
跡部先輩は無意識にやっていたらしく自分でも驚いていた。
どうしたんだろうね?
後編に続く。
テニス部員と仲良くなると必ずついてくるものは・・・呼び出し。