変だとは思ってた。

いつも1ヶ月に一度、僕とお昼を食べない
理由を聴いても何も言わないから可笑しいとは思ってたんだ。


「そういえば、なんかクラスの女子が話してたんスけど俺たちの写真を売ってる店があるらしいっスよ」
「えぇ!?なんだよそれ!俺、写真撮られたことなんて1度もないぞ!?」
「隠し撮りってやつかな?」
「多分。で、その店は不思議な事に1ヶ月に1度しか開かないらしいっス」


1ヶ月に1度…。まさか。

僕の頭に不安がよぎる。その不安を皆に悟らせないようにクスッと笑った。


「探してみようか?」


不安に思うなら実際に見てみたら良い。
周りに居た、越前、桃城、英二が話にのってきて、お昼をいつもより早く食べて屋上を出ようとすれば、


「きっと生徒会室だよ」


乾がボソッと呟いた。
「ありがとう」と乾に言ってから生徒会室に急いだ。

生徒会室につくとなぜか女子の行列が出来ていて、その子たちに何をやっているのか訊いてみると真っ赤な顔をして教えられません!と言われた。
ますます気になって、生徒会役員しか知らない入口から忍び込む。
入口は個室に繋がっていて、中に手塚が居た。手塚は僕たちを見ると真っ青になってチラッと生徒会室の方を見る。

生徒会室に出る扉の隙間から中を覗く。


「…っ」


声が出なかった。


「あれって、先輩っスよね?」
「何やってんだ?先輩は?」


見ればわかるだろと皆が桃に突っ込む。僕たちはもっと中の会話を聴こうと扉に近づいた。


「凄いっスよ。プロのカメラマンが撮ったみたいっス」
「わわっ!俺あんな事言った覚えないぞー!?」
「あっ俺の写真売れた!」
「まだ1枚だけじゃないっスか」
「うっせ!」
「おちびも桃も俺には勝ててないもんねー!」
「桃先輩はそうだとしても俺は負けてないっスよ」
「どういう意味だ越前!?」
「どういう意味をそのまんまっス」


越前と桃の口喧嘩を聞き流しながらクスッと笑う。

ふーん、はこんな事してたんだ。


さて、どうしようかな…?


自信をもってお勧めします  ― 不二様の発見 ―



何よりも秘密にされていたことにいらついた。