いつから此処に居るんだろう

ワカラナイ オボエテナイ・・・

知らない間に此処に居た









01.帰還









久しぶりに吸うこの空気。
私は帰ってきたんだと思わせるこの雰囲気。
いつ来ても変わらない此処にフッと笑みがこぼれた。
でも、違う事がひとつだけある。





「一匹で来るとはいー度胸じゃねぇか・・・」





殺気立ってる神田。

いつ見ても神田の髪は綺麗だと思う。





「ちょっちょっと待って!!何か誤解されてて・・・」





予想外の展開?で慌てている白髪の少年。・・・って私も少女だけどさ。





少年は白髪が綺麗です。
どうして私の前に現れる男の子は綺麗な髪をしてるのかしら!



すっごく羨ましいです!!





というか、なんで戦おうとしてるんですか?
ここ、結構 寒いから早く中に入りたいのですよ。













「門番!!!」






何分かボーっとしてしまっていたらしく、神田の大声でこっちの世界に引き戻されました。

ホント、どこにとんでたのかしら・・・




「いあっでもよ 中身がわかんねっぇんじゃしょうかねぇじゃん!アクマだったらどーすんの!?」




門番さんが神田に攻められております。
そりゃもうすっごい顔で神田が睨むから門番さん冷汗だらだらっスよ




なんか可哀相・・・門番さん。
門番さんより白髪の少年の方が可哀相か・・・
アクマに間違えられちゃってたみたいだし。

駄目じゃ〜ん。門番さ〜ん。








「僕は人間です!確かにチョット呪われてますけど立派な人間ですよ!!」







白髪の少年が門番さんのあごに泣きつく。
泣きつく気持ちがわかるわぁ・・・。
私も神田と初めて逢った時、睨まれて泣きそうになったもん。








「ギャアアアア 触んなボケェ!」








門番さんも必死に白髪の少年から逃げようとするがその場から動けないため逃げられない。



「ふん・・・まあ いい。中身を見ればわかることだ。」



神田が腰にさしてあった六幻を握り、発動した。




あぁ神田、発動しちゃったよ。
大変だ〜。

・・・六幻ていつ見ても格好良いよな〜。欲しいな〜。

神田くれないかな〜。




「この『六幻』で切り裂いてやる。」




うん。切り裂くのは別にいいけど、早く中に入らせてくれないかな?
ここ寒いし、見つかんないようにするの疲れるし、そろそろ限界なんですよね。














「かっ開門〜〜〜〜?」


『入場を許可します。アレン・ウォーカーくん』




あらら、またどっかにとんでたみたい。

なんかあの白髪の少年が中に入れる事になってるわー!
神田に殺されなくてよかったね!

本当によかった!これで私も中に入れるーーーー!!




ゴオォンと音を立てながら門が開いていく。
この門が開くの見るの久しぶりだな・・・。

ああ、懐かしの我が家。
やっと帰ってこれ・・・

「わっ」



なんか可愛らしい驚きの声が聴こえましたけど、何なんですか?





早く中に入れてよ!!





門の下の方を見ると神田が白髪の少年にまだ六幻を向けていた。



『待って待って神田くん』
「コムイか・・・どういうことだ」
『ごめんねーー。早トチリ!その子クロス元帥の弟子だった。ほら謝ってリーバー班長『オレのせいみたいな言い方ーーー!』ティムキャンピーが付いてるのが何よりの証拠だよ。彼は僕らの仲間だ。』




コムイさんの声に混じってリーバー班長の声が聴こえた。
苦労してるんだ・・・リーバー班長。




コムイさんが敵ではないと言ってもキッと白髪の少年を睨み続けている神田。







まだやる気なんですか?
もういいじゃんか〜。その子 敵じゃないんだしさ〜。
つか、いい加減限界なんですよ・・・。
無理なんです。寒いんです。






ぱこっという軽い音とどかっという鈍い音が重なって響いた。



ぱこっという音はリナリーが神田を叩いた音。
どかっという音は私が神田を蹴った音。


同じ女の子なのにこの違いは何だろうね。







「いってぇ!誰が蹴った!?」



神田が後ろを振り向き、キレた。
凄く睨んで犯人を捜しております。





「私だけど?」





平然とした顔で神田の前に立った。
すると、神田の顔が驚きの顔に変わった。




「っ!?!?」
「はい。ですけどそれが何か?
「お前、いつ任務から帰ってきたんだよ・・・!」
「今さっき。てか、今思ったんだけど神田ってそういう人だったんだ




お気づきでしょうか皆さん。
今、神田と白髪の少年の格好。
神田が白髪の少年を壁際に攻め立てています。というか、追いやってる?
これはまさにアレですよ・・・!!




「俺に喧嘩売ってんのか?」




神田の顔がまたこわーいお顔に戻ってしまいました。
こわいわー。




「いーえ。そんな命知らずな事しませんよ。」



にっこりと意味ありげに微笑んで神田を見るとそれに負けじと神田も睨んできた。







「もーーー。そこまで!早く入らないと門閉めちゃうわよ」





「「「・・・」」」




「入んなさい!」




恐るべきリナリー。
この空気の中でこれだけの威力を発揮できるとは・・・!



私、リナリーに逆らわないようにしよーっと。





「それから、おかえりなさい・・・




リナリーがにっこりと優しく微笑みながら言った。
リナリーの微笑みには癒しの効果がある。
まじまじとそう思ってしまった。




「・・・ただいま、リナリー」




私も出来るだけ優しい微笑みをつくった。



「よく帰ってきたな、



神田も小さい声ながら言ってくれた。
しかも、口元が少しだけ笑っている。




え・・・激レアじゃない!?神田の笑みなんてそんな簡単に見られるものじゃないですよ!?




『おかえり、くん』



通信用ゴーレムからコムイさんと皆の声がした。



懐かしくて暖かくてて涙を零しそうになってしまう。



泣きそうになりながらもゴーレムに向かって微笑んだ。



その後、私はやっと我が家に入ることが出来た。

















最後の方、アレン全く出てきてないですね。
次もあんま出てこないしなぁ・・・。