海の家・・・違った、海の上。










21.任務内容










前回の話。

いきなりコムイさんに海の上に行けと言われた私とラビ。
え?海の上ってどういう事!?
そこにイノセンスがあるの・・・!?





「はい、くん。現実逃避はやめようね。」



コムイさんの黒さと私の天敵である海・・・というか水に現実逃避をはかろうとしていたのにコムイさんに呼び止められた。



「・・・ハイ。スイマセンでした。」
「じゃ、話を続けるよ。」
「どうぞ・・・」
「今回、ラビとくんに行ってもらうのはここっていうのは言ったよね?」
「はい。言われました」
「でもここって海さー?」



トントン、と叩かれた地図を見ながらラビが言った。
ラビの前で私も頷く。

そう地図で示された場所には陸地がない。
ダイビングでもして、潜るなら関係ないのかもしれないけど、私が居る時点でその仮定は消える。
だって、私、かなづちですから。



「うん、この地図上ではね。でも最近、ここに陸地が出来たらしい」
「急に、ですか?」
「そう。」
「それって・・・」



「イノセンス」



3人の声が重なる。
妙に真面目な空気が流れ始め、少し経つとコムイさんが口を開いた。



「今回はここに行って、この原因がイノセンスなのかを調べてきてほしい」



一瞬の静寂。

そのときに湧きあがる感情。
任務の時はいつもそう、このワクワク感と不安が足の先から頭まで一気に駆け上る。
でも、いつもと違うこの感じはきっと不安の方が大きいから。



静寂を肯定と見たコムイさんはコーヒーを一口飲んだ。
ゆっくりとコムイさんの姿を見つめる。

訊かなくちゃ、訊かなくちゃいけないの。
この疑問は外れていてほしい。



「・・・



ラビの腕の力が強くなって優しく囁く。



「大丈夫さー。」
「ラビ・・・ありがとう」



すべてを知っているラビは私の気持ちも悟ってくれたらしい。
ありがたい味方だ。

少し後ろを向いてにっこり微笑んで、コムイさんの方に視線を戻した。
深呼吸して心を落ち着かせる。



「コムイさん・・・」
くん?」
「あの」



1回口を閉じてまた開ける。





「私は、今回の任務で終わりですか・・・?」





私の腰にあるラビの腕が、また強く私を抱きしめた。



















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久々だなぁ・・・。