そんなところに!?
20.新しい道
アレンくんと神田の姿が見えなくなった後、私は一粒だけ涙を流した。
「くん・・・」
後ろからコムイさんの心配そうな声が聴こえる。
「・・・くん。君、今から任務ね」
あぁ、あの心配そうな声は何処やら・・・。
コムイさんが悪魔いや魔王に見えます。それか化け狐。
「任務ですか・・・?」
「そう任務。ラビと一緒に」
「どこへ?」
「それはラビが来てから話すよ」
少し微笑んでコムイさんが言う。
本当にこの人の素顔がわからないよ・・・長年一緒に居るのに・・・。
「あ・・・」
「?なんです「さーーーっ!!」ぐはっ」
今、後ろから突進されました。
痛いです。凄く痛いです。息止まるかと思いました。
腰のところに重圧感を感じ、後ろを見るとオレンジ。
ふわっふわのオレンジ色の髪の毛。
オレンジ色の髪の毛の持ち主といえば・・・?
「・・・ラビ」
「ー、逢いたかったさー」
「うん。私も逢いたかったから、退いて?」
腰・・・背中かも、まぁ、それぐらいのところに顔をすりすりされるとこっちとしては暖かくて良いんですけど、
やっぱり重いわけで、ラビを引き剥がす。
引き剥がしてもラビって奴はべたべたしてくる。
本気で嫌だって言えないから何を言っても同じという事は過去の経験から学習した。
なので仕方なく腕をラビと繋がれたままコムイさんの部屋に向かった。
ちくしょう、コムイさんだって少しぐらい助けてくれたって良いじゃないか。
そんな事言っても助けてくれないのはラビと同じく過去の経験から学習済みだけど。
重い腕を引きずってやっとこさ着いたコムイさんの部屋。ていうか、会議室?
部屋に入って自分の座るところを軽く片付けて座る。
いやいや、なんでラビくん私の座るとこに座ってるんですか。
しかもなんでにこやかに「も早くこっちに来るさ!」とか言ってんですか。
何、ラビの膝の上に座れと?無理ですね。
軽くラビをシカトして自分の座るところを探す。
・・・なんでないんだ・・・っ!
なぜか座れそうなところは1つもなくて、残すところはラビの膝だけ・・・。
でもやっぱりそれには抵抗があって、私はその場に立ち尽くした。
「っ!何やってるさ、こっちに座るとこあるじゃんか」
「えっちょっうわ・・・!」
「な、の特等席さー!」
いきなり腕を掴まれてグイッと引っ張られ、私の体はラビの膝の上に着地。
特等席とか言われてもさ、ホントに勘弁してください。
嫌だと反論しようと口を開くとコムイさんが私の声を遮った。
「はーい。今から任務説明するよー」
コムイさんめ・・・!
今日ほどコムイさんを憎いと思った事はないです・・・!
「えっとー今回くんとラビに行ってもらうのはここ」
そう言ってコムイさんが指したのは地図にある海のど真ん中。
は?とコムイさんの方を見るとにっこり笑われた。
「なんか、くん理解できてないみたいだね」
「、大丈夫さー?顔が間抜けだぞ?」
「間抜けで悪かったわね。で、なんで海の上なんですか?」
私、泳げませんよ?えぇ、かなづちですとも。
「あぁ。くんは泳げないもんね。でも大丈夫海のう「が泳げなくても俺が助けてやるさー!」
コムイさんの言葉を遮ってギュッとラビが私を抱きしめた。
笑って抱きしめてくれるのは嬉しいんだけど、それよりコムイさんが怖いんだよ・・・!
「ラビ」
その場に響き渡るコムイさんの声。
顔は笑っているのになんか怖い。
うわーん!泣きたいよー!
「黙って。」
「・・・ハイ」
「じゃ、話を続けるね」
「「お願いしマス・・・」」
コムイさんの迫力に私とラビはそれしか言えなかった。
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微妙なとこでいったん切りますー。