いつか居なくなってしまうかもしれないから・・・
今出来る事をやるの











10.力量試し











「いくよ、アレンくん」







私が言うと廊下は波打ったように静かになった。
・・・というか、私、コムイさん、リーバー班長、リナリー、神田、そして・・・アレンくんしか居ないのよね。
皆、小走りでどっか行っちゃった。









「・・・!?待ってください!!話を進めないでください!!」


「進めるよ。だってあと9分と30秒しかない」
「でもっ!」



「でもじゃない!」







急に大声で言ったのにびっくりしたのかアレンくんがビクッと震えた。










「駄目なのよ・・・アレンくんには強くなってもらわないと・・・私が」










途中まで言ってはっとする。


アレンくん以外の人たちには続きがわかったのか皆俯いてしまった。
アレンくんだけが次の言葉を待っている。









「・・・なんでもない。やるよ、アレンくん。ここまできたら後戻りなんてできないの」










右手でポケットに入っているイノセンスを握る。




そう・・・もう後戻りはできないの




イノセンスを発動しようとすると、神田が私の左腕を掴んだ。





「何?どうしたの、神田」




いつにもなく不機嫌な神田の顔を覗く。








「・・・なんで、お前は・・・!」










あぁ、そっか。神田は私の事を心配してくれてるのね。
いや〜モテすぎて困ります・・・ごめんなさい。雰囲気 壊しましたね。




私はできるだけ優しい笑みを神田に向けてゆっくりと言う。





「ありがと神田。・・・でも私が倒されると思う?」
「思わねぇ」






随分 早いお返事ありがとう。
本当の事とはいえ、アレンくんに失礼だよ。







「でしょ?だから、心配しないで」
「・・・」








神田が渋々 左腕を開放してくれた。
よかった、放してくれて。結構痛かったのですよ。













くーん!ここのもの壊さないでねー!!」






「コムイさんだけには言われたくない言葉ですね」
「酷いなー」
「フフッ、でも心配しないでください。私がここのもの壊せるわけないでしょう?」









そう言ってにっこり笑うとコムイさんも笑い返してくれた。










「待ってください!!」










アレンくんが叫んだ。
今日はよく叫ぶね〜。って私のせいか









「僕は戦うなんてひと「悪いけどアレンくんに拒否権はないの」








ったくもー、アレンくんの言う事は凄く聴いてあげたいんだけどっ
でも時間がないの!あと8分3秒しかないの!



ポケットの中で握っていたイノセンスを力強く握った。
そしてにっこり笑いながらアレンくんにイノセンスを向けて言い放つ。











「さて、始めましょう?」















 




テスト編、結構長いです。
早く明るい話が書きたい・・・。