アレンくん、君は強くなるよ











12.テスト終了










10分まであと1分23秒。


さっきからずっとアレンくんとは互角に戦っている。
互角・・・よりも少し私が押されてるかな?



・・・・・・そろそろやばいかも。
息切れし始めてる。









「アレンくーん。そろそろ10分だね〜」



「喋ってていいんですか?」


「いいじゃーん。ちょっとくらい、さ」


「押されてるのに随分、余裕ですね」


「アレンくん、私ね・・・10分以上戦っちゃいけないって言われてるんだ」


「それがどうかしましたか?」











「だから、そろそろ本気、だすね?」










イノセンスでアレンくんの攻撃を交わしながら不敵に微笑んだ。



アレンくんが驚いた顔してるわ〜。















「・・・吹き荒れろ、風華」





アレンくんに風をおくるように扇いで呟いた。
すると風がまるで心を持っているかのようにアレンくんの周りに吹き荒れる。
油断していたせいなのか、風が強すぎるのか、アレンくんは身動きがとれなくなっていた。

その隙に首もとに向かってイノセンスを突き出す。










「チェックメイト」









微笑みながら呟いた。
アレンくんは戸惑いながら私を見ている。
そんなアレンくんを見てフッと笑った。
扇を止めて周りに張ってあった結界を解く。
フィルターがかった視界がだんだんとクリアになって音も聴こえてきた。
完全に結界が解けると私かアレンくんどっちかが壊したものが綺麗に直った。


そう、鈴音の力は結界の中の対象物ならば全て直すの。
















っ!!」










皆の声が聴こえて振り向くと神田がすぐ傍まで来ていた。






「皆・・・。」
!大丈夫!?」



「うん、大丈・・・夫・・・」




皆の顔を見て安心してしまったのか、身体がぐらついた。
すぐさま近くに居た神田が私の身体を支える。





・・・駄目だね。私。





神田に微笑みながらごめんと呟くと神田は気にするなと言ってくれた。







嬉しい・・・。






そう思った途端に目の前が真っ白になって意識を手放してしまった。




















 




テスト編終了。
果たしてアレンくんはテストに合格できたのでしょうか?