守ってね?









16.わたし護衛隊










戦闘が終わってふぅと息を漏らす。
毎度の事ながら疲れる。
ソファにどさっと乱暴に座るとあちこちから「お疲れ」という声がした。
ラビが近くに寄ってくるのを横目で見ながらコムイさんを見る。



「どう?」



「・・・嫌いです」



「いや、そうじゃなくて」
「本当なら落としたいです。なんなんです?あの態度」



本当にムカつくったらありゃしない!
どういう教育を受けたらあんなふうになるんでしょう!?
日本ってそんな国じゃなかったはず!・・・あんま覚えてないけど。



ムカついてます感がコムイさんにも伝わってしまったのか苦笑していた。
やっぱり持っているコーヒーを飲みながら「彼にも色々あったんだよ、きっと。」
なんて事を言ってる。



「でも、その様子だと戦闘力は合格みたいだね」
「・・・はい」



渋々言った。



本当は合格になんてしたくないんだけど・・・!
教団の為にしょうがなく!






ラビの頭をなでながら癒しを求めた。
コムイさんはリーバー班長に連れて行かれてしまってもう居ない。



「おい」



何かがきた。

頭の上から聴こえてきた声にいやいや返事をする。



「・・・何か?」
「六幻だ」
「何を言っているのでしょうか?」
「・・・っ!この刀の名前だ!お前が教えろっつったんだろ!」






「格好良い刀ですね。名前はなんて言うんですか?」




確かに言った。
今の今まで忘れてたけど。



案外律儀な彼に自然に笑みがこぼれた。
それを見て神田の眼がキッとつりあがる。
ラビは・・・人の膝の上で寝ていた。






「ハハッ。神田くんって面白い人なんだ」






神田に睨まれようとも私の笑いはおさまらなかった。
数分間笑って、神田の方をちゃんと見て指差す。







「よし、神田くん・・・神田って呼ぶわ。私の事はでかまわないから。神田を私の護衛隊に入る事を命じる!







「なんだよそれ!」
「嬉しいと思いなさい!ちなみにコムイさんには了解済み!」



了解なんてとってないけどいっか。
神田の性格をとことん叩きなおしてやるわ!





「・・・お前次第だ」



「そう。じゃ、守るしかないわね」
「フン」



ボソッと呟いた言葉だったけど、これは了解の意味でしょう。
勝手にそう信じる事にした。
にっこりと笑って神田に「よろしく」と言う。
神田はなんにも言わなかった。
その代わり、私の隣にどかっと座った。



まったく素直じゃないな・・・
こういうところも直していかないとね!



いつの間にかさっきの大っ嫌いはなくなっていた。

今でもあんまり好きじゃないけど。
でも仲間だし、それに護衛隊だからね!


















  



神田、護衛隊 入隊!
ちなみに隊員はラビ、コムイさん、リナリーなどなど。