夢を見た。
15.夢の一部
屋上に来て寝る。
前の学校でもやっていた。
いつも夢なんか見ずにぐっすり眠れるのに今日は違った。
目の前に繰り広げられる映像は色褪せていた。
ちゃんと見ようとすればするほど頭痛が酷くなる。
「お前はっどうしてそんなに駄目なんだ!!」
「あなた!やめて!!」
泣いている女性。怒っている男性。
全て自分がいけないんだとなぜか思った。
「ごめんなさい・・・」
幼い子どもが呟いた。
でも、それは男性に届かない。
+ + +
「・・・!」
翔がの名前を呼びながら肩をゆすった。
今の時間はお昼時。
が眠りについてから指定した2時間が経とうとしていた。
・・・翔って良い人だよね。
に言われたとおり起こしてあげるんだもん!
「・・・ん。ここ、どこ?」
が寝ぼけながら翔に問いかけた。
翔は呆れながらもの問いに答える。
「学校の屋上」
「そう・・・。俺、学校来て寝てたんだっけ。」
「ホント、吃驚したぜー。いきなり寝るんだもんな」
「だって眠かったからさー」
「それでも普通寝るか?」
翔が苦笑しながら言った。
は照れくさそうにニカッと笑う。
「よっと。俺、もう行くな」
そう言いながら翔が立ち上がり、に向かって手を振りながら屋上を出た。
はその姿を後ろから見守っていた。
翔の気配が完璧に無くなった頃、ゴロリとまた寝転んだ。
教室に行く気はなしですか。
初日なんだからちゃんと出なきゃ〜!!
は腕を眼のところにあて動かなくなった。
数分後、その格好のままポツリと呟く。
「寒い」
なんか、シリアスな雰囲気だなーって思ってたらこれですか?
寒いって貴女・・・
そうだよね、がシリアスに耐えられるわけないよね。
シリアスに耐えられないも呟いた表情はどこか寂しそうだった。
あの夢はなんだったのか・・・
の中でぐるぐると駆け巡る。
考えても考えてもわからなかったは寝る事にした。
その日、は学校が終わるまで屋上で過ごしましたとさ。
明日はちゃんと授業出てくれると良いな。
← →
シリアス風味。