期末テスト・・・めんどくせぇ










16.テストらしいよ?










がこの学校に転校してきて早くも1週間が経った。
色々と問題は多いけどなんとか大事件には繋がっていない。
・・・本当にギリギリだけど





「期末・・・?」





深刻そうな声で呟いたのは
その顔には冷や汗が伝わっている。
の手には期末テストの予定表があった。



「はいっ。期末テストです!」



隣で微笑むのは透、そのまた隣には咲とありさが・・・。
いつの間にか仲良くなっちゃってるよ!





「まさか・・・、知らなかったのか?」





ありさが信じられなさそうに訊いた。
は手に持っていた予定表をグシャっと潰して爽やかに笑った。
そして一言




「俺にはそんなの関係ないねっ!


「自信満々、ってか?」
「凄いです!」
「あら・・・もしかしたら私と同じかもしれないわよ・・・?」
「ありえるな・・・」




ありさと透が眼を合わせて苦笑した。
咲と一緒なのはありえる事だ。
・・・現実的すぎて怖い



「透、今日もバイト?」
「はい!」



が訊くと透はにこやかに答えた。
その顔を見て「そっか」と短く言った後、は少し考えた。




「(透を迎えに行ってやりてぇけど、あいつが居るもんなー・・・)」




考えた結果、やっぱり行かない事にした。





「あっ。俺、行かなくちゃ行けないとこあんだ!帰る!」





そう言っては教室を飛び出して行った。
友達3人はも慣れてしまったらしく、当然のように手を振ってを見送った。
透もバイトに行かなくては行けない時間になって、立ち上がりちゃんと挨拶をしてから教室を出て行った。










+ + +









「籍馬さーん!!」




はあるところに来ていた。
籍馬さんというのは、皆さんもご存知のとおり夾の師匠。
手を振りながらは箒を持って掃除をしている籍馬のところまで走った。
この子、本当に誰とでもお友達なのね・・・



じゃないか、どうしたんだい?」
「えへへ。ちょっと、稽古つけてもらおうと」



笑いながら言うに籍馬は優しく微笑んだ。
「中に入ってなさい」と言うと箒を片付けに行ってしまった。
は言われたとおりに道場の中に入る。
久々に入った道場は前に来たよりも少し狭く見えた。
実際には変わっていないだろうけどね。




「懐かしーーーー!!」




大の字になって叫ぶ。
叫ぶなってば!!




「お前・・・」




声がして扉のほうを見ると夾が居た。
戸惑いを隠せない夾をからかうようにニカッと笑う。





「いえー!ここでは初めましてだな!!」






数秒間、夾が何も言えなかったのは言うまでもない。














  






シリアスが抜け切れてない・・・。