俺もあの場面見たかったなーっ!










17.籍馬さんと夾とちょっと俺










「なんでお前がここに居るんだぁーーーー!!??」






「ったく、夾ったら。大声出しちゃ駄目だろ?」





夾が大声をあげるとが諭すように言った。


お前が言うなって・・・。




「そうだ、夾!相手して!!せっかく来たんだしさー!」




突然、思いついたようにが言った。

何の脈絡もない。

夾が「は?」と言うのと同時にもう一つ声がした。




「いいじゃないか、夾。やってあげなさい」




声がした方を向くと籍馬がにこにこと笑いながら立っていた。
その笑みはなぜか・・・黒い。



「籍馬さん!話わっかるー!!」
「ハハハ。は久しぶりだからね」
「よし!じゃ、着替えてくる!!」
「行っておいで。前と変わっていないから」
「はーーーい!」






「・・・ちょっと待て!」




和やかにと籍馬が話していると、夾が止めた。




「なんで相手する事になってんだよ!!・・・っておい!




夾の声はに届かなかった・・・!



頑張れ!夾!!



は軽い足取りで着替えに道場の外に出て行った。
出て行った事をチラッと横目で見て、夾は籍馬の方を恨めしそうに見た。



「夾、言わないでもわかってると思うけど相手は女の子だからね」
「わかってるよ。手加減する」



する必要はあるのか・・・?
1回、夾 投げられたじゃん。(※5話参照)



「いや、しなくていい。手加減すると夾がやられてしまうからね」


「は?」
は強い。力はないがそれを承知で考えて動く事が出来る。夾とは違うスタイルだね」
「・・・ふぅーん」
「きっと夾と同じぐらい精神力も強い」



昔の事を思い出しながら籍馬が言う。
夾は関心がなさそうに合槌をうった。




「籍馬さーん!!これ着ていいのー!?」




気が抜けるほど明るい声でが叫んだ。
籍馬は親の優しい眼つきになって微笑んだ。



「どれだい?」
「これこれ!」
「今行くから少し待ってなさい」
「おう!」


ゆっくりと籍馬がの方に歩いていく中、ぽつりと呟いた。



「あの子も色々とあった。夾はそれを理解し包んであげられるかい?」



その言葉は意味深で夾は眼を見開いた。
夾が何も言わないのを優しく見ながら籍馬はまた歩き出す。



「意味わかんねぇ・・・」



夾の呟きが聴こえたのかただ単に何かを思い出しただけなのか籍馬が振り返った。




「そうだ夾。楽羅がきてい「きょーくぅーんっ!!」




籍馬の声を遮るように楽羅の声が聴こえた。
夾が青い顔になって後ろを見ると楽羅が夾めがけて直進に走ってきている。



猪突猛進・・・猪だからね!



「逢いたかったよ、夾くん!!」
「俺は逢いたくなんてなかったけどなっ!」



抱きつく楽羅を引き離そうと必死だ。

が居たら笑ってるね!
「よかったなー夾!」とか言いながら絶対笑ってる!




「酷い!冷たいよ夾くん!せっかく、くんが教えてくれたのにっ




すべて言ってから楽羅がしまったという顔をした。
夾は額に青筋を浮かべている。



やっぱり全部、の仕組んだ事なのね・・・。








「この馬鹿 ーーー!!!」








腹の底から夾が叫んだ。















  





が全然 出てきてない・・・。(汗