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俺と皆は繋がってるぜっ!
19.テレパシー!?
紫呉が呼んでいると道場を出て行った梓。
道場では楽羅が夾を絞め殺そうとしていた。
話を戻して梓の行動をチェック!
「しーぐーれーさぁーーん!」
「あれ、梓くん」
「呼んだ?」
「うん。呼んだ」
「すっげー!テレパシーだ!!」
テレパシー・・・。
梓の場合、本能って感じもするけどね!
「・・・でも、あんまり来たくなかったな」
ポツリと梓が呟く。
紫呉は苦笑いを浮かべた。
「ま、来ちゃったものはしょうがない!」
暗い雰囲気を飛ばすように明るく言った。
「さーて、行くぞー」と腕を回す。
貴女、どっか戦いに行く気ですか?
「梓くん」
紫呉が言うと、梓は振り返って「何?」と返した。
「実はさぁ、ご機嫌ななめなんですよ、今日。だから今度ね」
「・・・ふぅーん」
「僕ははーさんに用があるから、先に帰っててくれないかな?」
「りょーかい!」
梓はニカッと笑って、くるりと方向転換し、もと来た道を戻って行く。
その姿を紫呉は何も言わず微笑んで見守っていた。
少し歩いて、ギリギリ紫呉が見える位置に梓が立ち止まる。
遠くに居る紫呉を見つめ、言った。
「ありがとう・・・」
場所は変わって紫呉さん。
梓が見えなくなったのを確認して、隠れている撥春を呼んだ。
「・・・何やってるんだい?」
ガサッと茂みから撥春が姿を現す。
色々なところに葉っぱが付いているのを見ると、結構隠れていたらしい。
・・・迷ってたんじゃないよね?
違うと信じたい。
「なんだ、わかってたんだ」
「そりゃ、君より長く生きてるからね」
「へぇ」
紫呉のいい加減発言に本気で納得する撥春。
「・・・先生」
「どうしたんだい?」
「ありがと」
「可笑しな事を言うね」
「だって、先生は梓を悲しませないように嘘ついたんでしょ?」
「・・・」
「だから、ありがと」
撥春は柔らかく見ほれてしまいそうな笑みを浮かべた。
少し間をおいてから「どういたしまして」と紫呉も笑う。
穏やかな風が周りの木々を揺らした。
「どうしたんだい!?こんなところで!」
ぶち壊しですよ、ちょっと!いい感じだったのに!!
綾女がハイテンションで扉を開け出てきた。
「あーや、居たんだ」
苦笑しながら紫呉が言った。
撥春は隣で呆然としている。
「とりさんに用があってね!それより、梓が居るというじゃないか!?」
「あぁ、僕の家に居るんだ」
「本当かい!?では近々ぐれさんの家に行くよ!」
「じゃ、僕は用があるから!」と綾女は去っていった。
呆然とその光景を2人は見守る。
「・・・先生」
「・・・なんだい?」
「梓に似てるよね」
「そうだね・・・」
綾女に似た属性という事は・・・翔と同じ属性だね!
ぶっちゃけ由希の苦手とする属性だよね!!
「さて、僕は帰るとするよ」
「・・・俺も先生んち行っていい?」
「いいよ、おいで」
「うん」
何もなかったかのように普通に話す2人・・・
こうして、撥春と紫呉はゆっくりと帰路についた。
← →
綾女と梓と翔は同じ属性。