依存レベルは果てしない











04.依存











1日というのは長くて短いものだ。






今日は部活を休んでアソコヘ行く。



部活があるから、レギュラーは来ないと思うしね。









休むといっても、私は1度部室に行かなくてはいけない。
明日の負担を少しでも減らしておかなくてはいけないんだ。






いつもながら、面倒くさい仕事・・・


























何故こんなにも後ろから声をかけられるんだろう。



はぁと溜息をつき、振り返る。
そこには青学のデータマンが居た。







「何?乾」




「今日は帰るのか?」
「あぁ。うん。」
「どっちだ・・・?」
「両方、かな」
「大丈夫なのか?今日からまたレギュラーが帰ってきているんだぞ?」
「平気なんじゃない?不二に嫌味言われたけど」









嘲笑に似た笑いを浮かべて、乾の質問に答えた。
逆光メガネのせいで乾の表情は読み取れない。
関係ないけど、乾の素顔を1度見てみたいと思う。







「・・・乾。もう行きな。あんたにはあっちの行動を把握してもらいたい」
「あぁ・・・」




「それと・・・」





「どうした?」
「越前って奴、暗い道に足を踏み入れないようにしてあげて」












「・・・大切な奴なのか」










「うん、大切だよ。だから・・・」










「わかった」
「ありがとう」








理由を問いたださないで素直に承諾してくれた事が嬉しかった。


乾にはいつも感謝しっぱなしだ。
スパイ役もやってくれているし。








フッと笑って学校を出る。
そして、あの子たちの居るところへと急ぎ足で向かった。













きっとあの子は今日も何も言ってはくれないだろうけど。
もしかしたら、何か言ってくれるかもしれないから・・・












こうやって週に1回はあの子たちのもとへ行ってしまう私はきっとあの子たち依存症。













早く・・・早く・・・その声を聴かせて・・・















  





乾は味方。