まずは現状報告だろうか。











06.報告











病院の窓から夕日が差し込む頃、私はある病室の前に来ていた。
扉のプレートには『 』と記されている。



そう、今の私の名前だ。



ゆっくり深呼吸して扉を開ける。









「久しぶり、・・・」








目の前に居る少年に話しかけた。
少年は目を細めて柔らかく微笑みながら言葉を返す。






「1週間ぶりぐらいか?」
「そうだね」
「元気か?」










「入院してる人に言われたくはない言葉だよね。」










「冷てーな、お兄ちゃんに向かって」
「30分違いのだけどね。」







軽い冗談を2人で言い合って馬鹿みたいに笑った。



どうやらは元気そうだ。









私が今使っている名前、 は、この人のもの。
色々とこっちの方が情報が訊きだしやすくてこの名前を使ってる。
でも、もうそろそろ に戻らなきゃかな・・・。
もうすぐが帰ってきそうだし。














「あー、笑った笑った!ところで・・・」








にやけ顔だったの顔が急に真面目な顔になった。












「今の現状は?」













毎週来るたびに聴かせている現状報告。
いつも1つくらいは何か見つかるのだが生憎、今週は何も見つかっていない。











「・・・何もナシ」
「そっかー・・・。この前ので全てピースは揃ったのか、それとも」





「それとも誰かが意図的に隠しているのか・・・」









どっちなんだろう・・・




今、言える事は1つだけ。それは、テニス部が関係している事。




でもそれだけじゃパズルは埋まらない。
















「あ、そういえば・・・」







が思い出したように声を上げた。








「リョーマ、青学に来たんだってな。」















・・・まったく、どこからそんな話を手に入れて来るんだか。

















  





として学校に通ってます。