君の声はまるで癒しの薬みたいだ。










08.先生











「そろそろ行く」







まだ行かなくてはいけないところがあるから座っていた椅子から立ち上がった。









「・・・先生のとこか?」
「うん、一応 検診」
「ふぅーん」







ふぅーんっておい。訊いてきたのはそっちだろう。
口に出そうとするがの発言によって遮られてしまった。











「なぁ」




に腕を掴まれた。













「今日、お前泣いたっしょ?」












「・・・!」







吃驚した。
思わず眼を見開いてしまう。




確かに涙は流したけれどには言っていないはずだ。
ここに来る前、鏡を見たけど赤くなっても腫れてもいなかった。







不思議そうな顔をしてしまっていたのかが笑いながら言う。












「お前の事ならなんだってわかるよ」












意地悪そうな笑みを浮かべるに私は一生勝てないだろうなーなんて思ったりした。









「無理すんなよ?」









の一言一言が暖かかった。
つけられた傷をいつの間にか癒してしまう。













「・・・しないよ」











フッと笑っての腕を解く。
そして鞄を持って部屋を出た。

























真っ白な廊下を目的地に向かって歩く。
運の良い事に着く前に先生に会えた。





「あ、ちゃんやん」





先生はにっこり笑って私を見る。






「検診、受けに来ました」
「あぁ。そんな時期か〜。ほな、行こか。」
「はい」





先生の部屋に着くまでの間、他愛もない話をした。
学校の勉強はいやだよね〜とか、とにかく先生がよく喋った。
私はそれに相槌を打つだけだった。













「おとんっ!」









部屋に入ろうとしたとき、先生が誰かに呼び止められた。
声が妙に低くて背が高い男の人だった。






「これ、家に忘れてったやろ?」
「おっと、そうやった。ありがとなー、ゆうし」






ゆうしと呼ばれた男の人から先生は封筒を渡されていた。
ゆうし・・・さんはまったくとか愚痴を零している。








ちゃん。紹介するなー、こいつ、俺の息子のゆうし言うねん」














何処かで聴いた事のある名前だと思った。

















  





久しぶりのテニキャラ登場か?