君が望むままに。
19.関り − 02
正直、こんな奴ら放っておけば良いと思う。
でもは優しいからできないんだよなー。
エレベーターに乗りながらそんな事を考える。
手塚は結局弱いし、リョーマはこの事件に全く関係ない。
乾は仕方ないとして・・・。
1番首を突っ込んで欲しくないのは忍足だ。
腹の中で何考えてるかわかんないし。
「ねぇ、」
リョーマが首を俺のほうに向けて訊いた。
俺はへらっと笑って返事を返す。
「ん?どした?」
「訊きたい事はかなりあるけど、ってどんな奴なの?」
リョーマは直球だなー。
直球過ぎる所為でほら、手塚は顔を強張らした。
忍足は興味がないフリして聞き耳立ててる。
乾は相変わらず表情読めないけど。
俺は顎に手をあて、考えるように振る舞った。
「そうだな・・・。凄い、綺麗な奴だよ」
には負けるけど。心の中で思う。
リョーマは返答をもらえた事が嬉しかったのか、ふーんと言ってまた口を開く。
「じゃあ、って人はたちとどんな関係なわけ?」
「それはー秘密」
「なんで!?」
さっきよりも早い、しかも、拒否の言葉でリョーマはガバッとこっちを向いた。
「なんでも。」
にっこりと有無を言わさない口調で言うと、リョーマは押し黙った。
少し沈黙が流れ今度は忍足の口が開きそうになったとき、タイミングよくエレベーターが止まる。
ガーとエレベーターの厚い扉が開き、外の光が入ってくる。
俺はエレベーターの扉が閉まらないように押さえながら、自分以外の奴を外に出す。
自分以外の奴らが出て行ったところでにっこり笑って言い放った。
「もうこの事件には関んないで」
あまり大きくない俺の声がロビーに響いた。
「何言って「それは」
リョーマを手塚が止めながら遮った。
・・・まさか、手塚が喋るとは思ってなかった。
「それは、お前の意志か・・・?」
「さぁね」
「違うやろ?」
手塚の後は忍足かよ・・・。
面倒くさいと思っても笑みを消さないのがこの俺。
「ちゃんが関らせたくないゆーたんやろ?」
「なんでそう思う?」
「お前は腹ん中で何考えてるかわからへんからや」
「俺ってそんな悪いイメージだったんだなー。悲しいねー」
わざと大袈裟に傷ついたフリをする。
片手で閉のボタンを押してエレベーターの扉の外に居る奴らを見る。
「忍足」
「なんや」
「お前の質問の答えは半分正解、半分ハズレ!じゃぁな」
顔に嘲笑を浮かべ、手を振る。
忍足が何か言いたそうだったがそんな事エレベーターには通じない。
バタンと扉が完全に閉まって、エレベーターの中には俺1人だけになった。
外の奴らがどんな感じかなんて俺には関係ない。
ただ早く、最上階に
独りで泣いているであろう彼女の元に・・・
独りで泣くのは寂しすぎるから。
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は腹黒?