お前に託す。
19.関り − 03
まったく、の奴最後に爆弾落とすなんて・・・
一緒に帰らなくちゃいけない俺の気持ちも考えて欲しい。
誰も喋らずにそこに居る全員がエレベーターを見つめていた。
忍足はの最後の表情が見えたのか睨み続けている。
越前と手塚は呆然と立っている。
俺ははぁと軽く溜息をつき、ゆっくり口を開いた。
「・・・そろそろ、帰ろう。あまり遅くなると良くない」
「あぁ」
「そやな」
「・・っス」
それぞれのYESの言葉を聴いてロビーのオートロックを解除する。
扉が開くとまだ冷たい風が入ってきて身体を冷やす。
俺はその冷たい空気の中に一歩踏み出した。
歩く事15分と28秒。
誰も一言も喋らずに分かれ道についた。
俺と越前は一緒の道らしい。
軽く挨拶を交わして、暗くも明るくもない住宅街を歩き出した。
「・・・」
「・・・」
また続く沈黙。
これを先に破ったのは越前だった。
「乾先輩はどこまで知ってるんスか?」
上目遣いに訊いてくる越前の目は真剣で俺は眼鏡の下で小さく笑った。
「・・・越前よりは多いね」
「たちよりも知ってるんスか?」
「いや、この事件について1番知ってるのはあの2人だよ。」
「そうなんスか・・・」
「そういえば、越前はあの部屋、誰のものかわかった?」
「・・・との部屋でしょ」
「ハズレ」
「じゃ、誰の部屋なんスか」
「あの部屋はの部屋だよ」
「・・・?」
「あぁ。 の部屋」
「・・・ってあの?」
「そう」
「それってどういう・・・」
「それは越前への課題だ。自分で考えてみると良い」
「ちょっ乾先輩!?」
「俺はここを曲がる。じゃぁ、また明日」
「え!?」
戸惑っている越前を残して角を曲がって、走った。
俺には救えないあいつらの救世主になってほしいと走りながら願う。
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うーん、なんか微妙。